量を出して関心を取りに行く

2026-07-23

 7月23日(木)学校に届いた雑誌にふと目を通すと、気になるワードが目に留まりました。

 みなさんは「アテンション・エコノミー」という言葉をご存じでしょうか。これは「人々の注目(アテンション)が、経済的価値を持つ(エコノミー)しくみ」のこととされ、スマホやSNS等で毎日膨大な「人々の興味・関心を集めること」ができる情報が大きな価値を持つようになった状況を指すのだそうです(国際大学・山口真一教授)。情報コンテンツを次々と流す戦略は、人間の心理の片方である「直感的に素早く反応する仕組み」すなわち「目に入ったもの」「話題になっているもの」「感情を動かされたもの」を優先的にみるようになる(山口教授)傾向を踏まえています。そこで情報発出側は「量を出して関心を取りに行く」(山口教授)傾向が高まるといえます。今や日本のインターネット広告市場規模は4兆円を超え、新聞や雑誌、ラジオやテレビを合わせた広告費の2倍近くまで伸びている(電通・2026年5月)ようです。

 私は、インターネットの「アテンション」を集める規模の大きさに戸惑いを隠せません。これは注意しないと、自分にとって本当に必要な情報なのか、あるいは正確な情報なのか、要不要や真偽があいまいなまま受け取ってしまう恐れがあると考えるからです。

 特に、情報の真偽を確かめることが重要であると思います。そこで、偽情報に振り回されないために、人間の心理のもう片方である「時間をかけて熟考するしくみ」を大切にしたいと思います。気になる情報は ①誰が言っているのか=発信源 ②なぜそう言えるのか=根拠 ③信頼性の高い情報と比べる=比較(日本ファクトチェックセンター編集長・古田大輔氏:2025.9月・読売新聞)の3点を確かめることを、デジタルシティズンシップ教育の「メディアリテラシー」の一環として、今後とも子どもたちに呼びかけ続けたいと思います。

 夏休み、子どもたちはスマホやタブレット等に接する機会も増えるかもしれません。ご家庭でも、機会をとらえて子どもたちと賢明な情報の受け取り方を話題にしていただくのもよいかと思います。まずは、私たち大人が、信頼のおける情報を吟味し選択するようにしていきたいものです。